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SL理論って何?PM理論との違いを解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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メンバーの成長段階に応じてリーダーシップのスタイルを柔軟に変える「SL理論」。一方、目標達成と人間関係のバランスでリーダーを分析する「PM理論」。どちらもリーダーシップ理論として知られていますが、実践的な違いや使い分け方を理解している方は意外と少ないかもしれません。本記事では、SL理論の基本と、PM理論との違いを分かりやすく解説します。

SL理論とは?

部下の成熟度に応じてリーダーシップスタイルを変える理論

SL理論(Situational Leadership Theory)は、1977年にハーシーとブランチャードが提唱したリーダーシップ理論です。「部下の能力と意欲(成熟度)」に応じて、最適な指導スタイルを選択することが重要であるとされています。

要素内容
提唱者ハーシーとブランチャード
基本概念状況に応じてリーダーシップを変えるべきという考え方
対象部下やチームメンバーの能力・やる気に合わせて指導する
主なスタイル指示型、コーチ型、協働型、委任型(4タイプ)

「万能なリーダー像は存在せず、相手に合わせて対応するのが優れたリーダーの条件」とするのがこの理論の核心です。


SL理論の4つのリーダーシップスタイル

メンバーの成熟度によって使い分けるべきアプローチ

SL理論では、部下の成熟度(能力と意欲のバランス)に応じて、次の4つのリーダーシップスタイルを使い分けるとしています。

スタイル特徴適用場面
指示型(S1)明確な指示と監督を行う新人や経験の浅いメンバー向け
コーチ型(S2)指示+支援のバランススキルは低いが意欲は高い層
協働型(S3)支援を重視し自律性を促すスキルはあるが自信がない層
委任型(S4)最小限の関与で任せる高スキル・高意欲の熟練者

このように、画一的な指導ではなく、相手に応じた柔軟な対応が求められます。


PM理論とは?

「目標達成」と「人間関係構築」の両立を重視するリーダーシップ理論

PM理論(Performance-Maintenance Theory)は、三隅二不二によって提唱された、日本発のリーダーシップ理論です。リーダーの行動を「目標達成機能(P)」と「集団維持機能(M)」の2軸で評価します。

要素内容
提唱者三隅二不二(みすみ・じふじ)
概念リーダーの行動は「P(目標達成)」と「M(集団維持)」で評価される
リーダー分類PM型、P型、M型、pm型の4タイプ
目的効果的な組織運営とチームの安定を両立する

PM理論では「成果志向」と「人間関係重視」の両立がリーダーの資質として評価されます。


SL理論とPM理論の違い

状況対応型か、行動特性型かの違いに注目

両者の違いを比較表にまとめると、以下のようになります。

比較項目SL理論PM理論
提唱者ハーシーとブランチャード三隅二不二
発祥アメリカ日本
分類軸部下の成熟度に応じた指導スタイルリーダーの行動特性による分類
目的柔軟なリーダーシップの実践バランスの取れたリーダーの育成
活用場面現場の育成、教育指導、人材マネジメントチーム運営、マネージャー評価、人事制度

SL理論は「リーダーが変化する」ことを前提とし、PM理論は「リーダーの行動傾向を分類・評価する」アプローチです。


SL理論のメリットと実践ポイント

成長支援に向いた、柔軟で個別対応が可能な理論

SL理論を導入するメリットと、それを実践する際のポイントは以下の通りです。

メリット内容
メンバーの成長段階に合わせた対応が可能スキル・モチベーションの違いを考慮したマネジメントができる
指導の柔軟性が高い一律対応ではなく、個別の支援がしやすくなる
育成に強い指示型から委任型へと、自然な成長プロセスを描ける
実践ポイント解説
メンバーの成熟度を定期的に評価する能力と意欲のバランスを観察し、変化を見逃さない
自己の指導スタイルを客観的に見直す自分がどのスタイルに偏りがちかを振り返る
定期的にフィードバックを取る上司・部下間の対話を通じて理解を深める

状況に応じた柔軟なマネジメントが、現場での信頼関係構築と成長につながります。


まとめ

SL理論は、メンバーの成長段階や意欲に応じて、最適な指導スタイルを選ぶ「状況対応型」のリーダーシップ理論です。一方、PM理論はリーダー自身の行動傾向を「目標達成」と「人間関係維持」の観点から評価する「行動特性型」理論です。どちらも組織運営において有用ですが、場面や目的に応じて使い分けることで、より効果的なリーダーシップを発揮することができます。