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試用期間って?クビになることはある?

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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入社後に設けられる「試用期間」。これは「お試し期間」だから、簡単にクビにされるのではないかと不安に思う人も少なくありません。しかし、試用期間中でも労働者としての権利は保護されています。本記事では、試用期間の基本的な意味と法的な位置づけ、そして解雇(クビ)の可能性や注意点について、わかりやすく解説します。

試用期間とは?

法律上の定義と目的

試用期間とは、正式な雇用契約を結んだ上で、企業側が一定期間を設けて従業員の適性や能力、勤務態度などを見極めるための制度です。採用された時点で労働契約はすでに成立しており、法的には「本採用」とほぼ同等の扱いです。

項目内容
法的性質労働契約はすでに成立しており、労働者としての保護が適用される
期間の目安一般的には1か月〜6か月程度(会社規定により異なる)
主な目的能力・勤務態度・組織適応力などを評価する
雇用形態正社員と同様(ただし条件や待遇が異なる場合もあり)

試用期間中にクビ(解雇)になることはあるのか?

原則として「解雇は可能」だが、自由ではない

試用期間中でも「解雇」するには合理的な理由が必要です。企業は「一方的な判断」で自由にクビにすることはできず、正当な理由と手続きが求められます。

解雇が認められる例解雇が不当とされる例
業務遂行に明らかな支障がある性別・年齢・家庭の事情など差別的な理由
勤務態度が著しく悪い主観的な印象だけで「向いていない」と判断するケース
経歴詐称が発覚した具体的な説明もなく一方的に通知する、理由を明示しない場合

試用期間中の注意点と確認すべきこと

入社前に就業規則や雇用契約を確認する

解雇に関するルールや評価基準が契約書に明記されているかどうかは、トラブル回避の重要なカギとなります。

チェック項目内容
試用期間の長さ契約書や内定通知書に記載されている期間を確認する
本採用の基準どのような評価基準で本採用が決まるのかを事前に把握しておく
解雇の可能性試用期間中に解雇の可能性があること、手続きや理由の記載有無を確認する
労働条件の相違試用期間中の給与・勤務時間・福利厚生などの違いがないかを確認する

試用期間中にクビになるのを防ぐには?

自分にできる対策を講じる

評価されるポイントを押さえて、職場での行動や姿勢に注意しましょう。

ポイント実践内容
報連相を徹底する小さなことでも「報告・連絡・相談」を欠かさず、信頼を築く
職場に馴染む努力をするあいさつや協調性を大切にし、チームに溶け込む努力を怠らない
不安は早めに相談不明点や悩みがあるときは上司や先輩に相談し、課題を放置しない
勤怠を守る遅刻・早退・無断欠勤は特に厳しく評価されやすいので注意が必要

解雇されたときの対処法

解雇された場合も泣き寝入りしない

もし不当な理由で解雇されたと感じたら、正しい対応を取ることが大切です。

対処ステップ内容
解雇理由を確認する企業側に具体的な理由を説明してもらう
書面での通知を求める解雇理由を証拠として残すため、書面での通知を依頼する
労働基準監督署に相談する不当解雇の疑いがある場合は、労働局や専門家に相談することで対処方法が見えてくる
弁護士に相談する法的手続きが必要な場合や慰謝料請求を検討する場合に備える

まとめ

試用期間とはいえ、企業と労働者の間には正式な雇用契約が成立しています。したがって、試用期間中にクビにするには正当な理由と適切な手続きが必要であり、企業側の自由な判断で行えるものではありません。不安なときは、まず契約内容をしっかり確認し、必要に応じて専門機関への相談も検討しましょう。安心して働くためには、自分の権利を正しく理解しておくことが大切です。