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内定を断ることは違法になりますか?損害賠償はある?

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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就職活動の末に得た「内定」――しかし、別の企業からより魅力的なオファーがあったり、進路を再考した結果「辞退したい」と考えることもあるでしょう。とはいえ「内定を断っても大丈夫?」「損害賠償を請求されるのでは?」と不安になる方も少なくありません。本記事では、内定辞退が法律上どのように扱われるのか、トラブルにならないための対処法と注意点を分かりやすく解説します。

内定辞退は違法ではない

法律上の内定の位置づけ

内定とは、企業と求職者との間で「将来雇用することを約束した労働契約」であり、正式な労働契約の一種です。ただし、入社前の段階であれば、民法上の「契約解除権」に基づいて辞退することができます。

観点内容
内定の法的性質始期付き・解約権付きの労働契約
内定辞退の可否入社前であれば自由に辞退でき、違法ではない
辞退の条件書面で交わしていたとしても、一定の猶予期間があれば辞退可能

よって、「内定を断る=法律違反」となることは基本的にありません。


内定辞退による損害賠償はある?

原則として賠償義務はないが、例外も存在

通常、内定辞退によって損害賠償が発生することはほとんどありません。企業側も一定数の辞退を見越して採用活動を行っており、法的な責任を問うことは難しいとされています。

ただし、以下のようなケースでは損害賠償のリスクが生じる可能性があります。

ケース例内容
内定後に重大な嘘が発覚した経歴詐称などにより採用判断に影響があった場合
入社前日に辞退した場合直前の辞退により企業が大きな損害を被ったと証明できる場合
内定承諾後に不誠実な行動があった場合他社と天秤にかけていたことが判明したり、企業と連絡を絶って音信不通にした場合など

とはいえ、これらのケースでも実際に賠償請求されることは非常に稀です。


内定辞退時の正しい対応方法

トラブルを避けるためには、誠意ある対応が何よりも重要です。

対応ステップ内容
できるだけ早く連絡する内定辞退は決めたらすぐに伝える。遅れるほど迷惑が大きくなる
電話+書面で伝える最初は電話で謝意を伝え、その後メールや文書で正式に辞退の意思を伝える
理由は簡潔・丁寧に個人的な事情や他社への転職などは簡潔に伝え、細かい説明は求められなければ避ける
感謝の気持ちを伝える「ご縁をいただきありがとうございました」など、礼儀を尽くす姿勢が大切

内定辞退に関するよくある誤解

誤解実際の対応
内定承諾書を書いたから辞退できない書面があっても労働契約は解除可能(民法第627条に基づく)
損害賠償を請求されるかもしれない誠実に対応していれば法的責任を問われることはほぼない
評判が悪くなるかもしれない社会人として誠実な態度を示せば、企業側も理解してくれるケースが多い
担当者に怒られたら辞退できない感情的な対応をされても、辞退の意思を正しく伝えることが大切

まとめ

内定を辞退することは法律上の権利であり、違法ではありません。ただし、タイミングや方法を誤ると、企業との信頼関係を損ねたり、無用なトラブルを招く可能性があります。誠意をもって早めに連絡し、丁寧に辞退の意思を伝えることが、トラブル回避の最善策です。迷ったときは、自分の将来にとって納得できる選択を第一に考えましょう。