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短時間勤務制度って?内容を解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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子育てや介護と仕事の両立に悩む社員が増えるなかで、注目されているのが「短時間勤務制度」です。この制度は、労働時間を柔軟に調整しながらも就労を継続できる仕組みであり、企業にとっても人材確保と定着に直結する重要な制度です。しかし、「誰が使えるのか?」「給与や待遇はどうなるのか?」など疑問を持つ方も多いはずです。本記事では、短時間勤務制度の概要や対象者、導入時のポイントについてわかりやすく解説します。

短時間勤務制度とは?

所定労働時間を短縮し、柔軟な働き方を可能にする制度

短時間勤務制度とは、法定または企業が定めた所定労働時間よりも短く勤務できる制度で、主に育児・介護との両立を支援する目的で導入されています。通常のフルタイム勤務では対応が難しい社員が、一定の期間に限って柔軟に働くことができる仕組みです。

項目内容
制度の目的育児・介護・体調不良などと仕事の両立支援
基本的な内容所定労働時間(例:1日8時間)を短縮して勤務(例:1日6時間)
法的根拠育児・介護休業法により、3歳未満の子を持つ労働者に短時間勤務の提供が義務付けられている

対象者と適用条件

対象者区分条件・内容
育児対象者小学校就学前までの子を育てる親(特に3歳未満は法律で義務化)
介護対象者要介護状態にある家族を介護する社員
その他の対象者体調不良、障がい、学業等と両立を図るケースも、企業判断で対象とすることが可能
適用条件1年以上継続勤務している社員、かつフルタイム勤務者(※一部企業では柔軟に対応)

勤務形態と時間の例

パターン内容
育児短時間勤務1日6時間勤務(例:9時〜16時、休憩1時間)などのパターン
介護短時間勤務週の一部を短時間勤務にする、時差出勤と併用するなど柔軟な運用が可能
時間単位の調整1日ごとに勤務時間を調整する、日数を減らすなどのカスタマイズも企業によって可能

短時間勤務制度のメリット

メリット項目解説
働き続けられる安心感子育てや介護でフルタイムが難しい時期でも、就業継続が可能となり、離職防止につながる
ワークライフバランスの実現私生活と仕事の調和がとれ、心身の負担軽減やストレスの抑制に効果がある
多様な人材の活用時間に制約のある人材でも活躍できる場を提供し、組織の多様性と柔軟性を高められる
人材定着率の向上社員に対する理解と支援が信頼関係の構築につながり、企業イメージの向上にもつながる

導入時の注意点とポイント

注意点項目解説
公平性の担保制度利用者と通常勤務者との間で、不公平感が生じないよう配慮が必要
業務量の見直し時短勤務に応じて業務を最適化し、過剰な負担が他の社員にかからない体制づくりが重要
コミュニケーション促進制度利用者の情報共有不足を防ぐため、チーム内での対話やフォロー体制の整備が求められる
就業規則の整備対象範囲、申請方法、勤務時間の設定などを明文化して、制度のトラブル防止と透明性を確保する

まとめ

短時間勤務制度は、育児や介護などライフステージに合わせた柔軟な働き方を実現するための有効な仕組みです。制度の正しい理解と適切な運用によって、社員の定着やモチベーション向上、企業の社会的信頼の向上にもつながります。導入する企業側も、制度利用者と周囲の社員のバランスを考慮しながら、働きやすい環境づくりを目指すことが重要です。