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ダブルループ学習って何?ポイントを解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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課題を解決しても、同じ問題が繰り返される――そんな状況に悩まされた経験はありませんか?それは、表面的な解決にとどまり、根本的な原因にアプローチできていないからかもしれません。こうした課題に有効なのが「ダブルループ学習」という学習モデルです。組織や個人の成長に欠かせないこの手法の特徴やポイントについて、わかりやすく解説します。

ダブルループ学習とは?

項目内容
定義自分や組織の「前提」や「価値観」を見直しながら学ぶ方法
提唱者クリス・アージリス(Chris Argyris)
対象個人、チーム、企業などあらゆるレベルで応用可能

従来の問題解決手法が「行動の修正」にとどまるのに対し、ダブルループ学習では「考え方そのもの」を見直すことで、持続的な変化と成長を目指します。


シングルループ学習との違い

比較項目シングルループ学習ダブルループ学習
学習対象行動や結果行動の背後にある価値観や思考
アプローチミスの修正や改善策を実行なぜその行動を取ったのかを深く掘り下げる
目的正解の最適化問題設定や前提の再定義
売上が低いので営業回数を増やすなぜ売上が低いのか、顧客ニーズは合っているかを問い直す

ダブルループ学習が必要とされる理由

理由解説
複雑な問題への対応変化の激しい時代では、単純な対処法だけでは限界がある
組織の自己革新が可能に長年の慣習やルールが見直され、柔軟で創造的な組織運営につながる
イノベーションを促進する従来の常識にとらわれない発想が生まれやすくなる
持続的な成長につながる一時的な改善に終わらず、根本的な改革が実現できる

ダブルループ学習の進め方

ステップ解説
1. 結果を振り返る現在の状況や成果を冷静に分析する
2. 行動を検証する取った行動の有効性や妥当性を確認する
3. 背後の前提を問い直すなぜその行動を選んだのか、どんな信念があったのかを探る
4. 新たな思考・行動モデルを作る価値観や考え方を再構築し、次の行動につなげる

ダブルループ学習を実践するためのポイント

ポイント解説
心理的安全性の確保批判されずに意見が言える環境が必要不可欠
多様な視点を取り入れる自分とは違う考えを受け入れられる柔軟性が求められる
振り返りを習慣化する日々の業務やプロジェクトを見直す習慣を持つことで気づきが得られる
オープンな対話を重視する一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションが重要
組織文化として根づかせる一部の個人だけでなく、組織全体で取り組む姿勢が必要

ダブルループ学習の活用事例

事例解説
マネジメント研修管理職が自身のリーダーシップスタイルや判断基準を見直すきっかけに活用されている
チームビルディングチーム内のルールや前提を再定義し、協働の質を高める
組織変革プロジェクト慣習や制度をゼロベースで問い直す際に、重要な思考モデルとして活用される

まとめ

ダブルループ学習は、表面的な改善だけでなく、自分自身や組織の「考え方」そのものを問い直すことで、より本質的な変化を生み出す学習手法です。個人としても、組織としても、継続的に成長していくためには不可欠なプロセスといえるでしょう。日々の振り返りからスタートし、ぜひダブルループ学習を取り入れてみてください。