会議やプレゼン、商談などで「話がまとまっている人」と「何を言いたいのか分からない人」の差は、話の組み立て方にあります。なかでも「ホールパート法」は、分かりやすく伝えるための有効なフレームワークのひとつです。一方で、PREP法と混同されることも多く、違いを理解できていない人も少なくありません。本記事では、ホールパート法の基本的な内容とPREP法との違い、実践のポイントをわかりやすく解説します。
ホールパート法とは?
ホールパート法(Whole-Part法)は、まず全体像を示し、その後に各要素の詳細説明を行う話の構成方法です。
「ホール(全体)」→「パート(部分)」という流れで情報を整理することで、聞き手に「今から何の話をするのか」「全体の中のどの部分の話をしているのか」を意識させ、理解を助ける効果があります。
例:
「本日は新製品の販売戦略についてご説明します(全体)。
まずは市場分析、次にターゲット層、最後に販売チャネルについて順に説明します(部分)。」
PREP法とは?
PREP法は「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の順に話を構成する手法です。
相手に説得力のある説明を短時間で行うことを目的とし、結論を繰り返すことで要点を強調し、納得感を高めます。
例:
「新製品はターゲット層に非常に魅力的です(結論)。
その理由は市場調査で〜がわかっています(理由)。
実際、昨年の似た製品では〜という実績があります(具体例)。
だからこの製品は魅力的なのです(結論)。」
ホールパート法とPREP法の違い
比較項目 | ホールパート法 | PREP法 |
---|---|---|
主な目的 | 話の全体像を理解させ、詳細にスムーズに入るための整理手法 | 短時間で説得力ある結論を伝え、納得感を高めるための説得手法 |
構成順序 | 全体 → 各部分の詳細 | 結論 → 理由 → 具体例 → 結論 |
活用場面 | 会議の議題説明、研修、長めのプレゼン | 上司への報告、商談、短めのプレゼン |
伝わる効果 | 話の道筋や流れが理解しやすくなる | 要点が短時間で理解・納得されやすくなる |
ホールパート法を実践するポイント
- 最初の「全体説明」を省略しない
聞き手に「今から何の話をするのか」を伝えて安心感を与える。 - 部分説明の順番を整理する
全体から細部に進むため、各パートを論理的な順番で並べる。 - 話の流れを明確にする
話がどこまで進んだか、途中で一度全体に戻って確認するのも効果的。
まとめ
ホールパート法は、「全体から部分へ」という流れで話を構成し、聞き手の理解を助ける方法です。一方、PREP法は結論を強調して説得力を高める手法であり、両者は目的や使いどころが異なります。
場面に応じて両方の使い方を理解し、話し方のバリエーションを増やすことで、相手に伝わる力が格段にアップするでしょう。