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第17回小規模事業者持続化補助金のスケジュールは?受付期間から申請手順・注意点まで解説

補助金
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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小規模事業者にとって、販路拡大や業務効率化は大きなテーマです。その解決策のひとつが「小規模事業者持続化補助金」です。この記事では、2025年公募の第17回に向けた最新情報とともに、補助金を活用して成果を上げるための戦略や、審査に通りやすい事業計画の立て方をわかりやすく紹介します。

小規模事業者持続化補助金とは?制度の概要と目的を理解しよう

小規模事業者持続化補助金は、中小企業・個人事業主が新たな販路開拓や業務の効率化などを目的に実施する取組に対し、補助金を交付する制度です。経済産業省の中小企業施策の一環として実施され、地域経済を支える小規模事業者の持続的成長を支援することを目的としています。対象となるのは、常時使用する従業員数が5名以下(卸・小売・サービス業)または20名以下(製造業など)の法人・個人事業主です。

この補助金は、商工会または商工会議所のサポートを受けながら申請し、事業計画のブラッシュアップを図るのが特徴です。計画性と実効性が求められるため、補助金に依存するのではなく「補助金を活用して成長する」ことが大前提となります。自社の強みをどう生かし、どのように市場を開拓するかを客観的に見つめ直す絶好の機会といえるでしょう。


第17回公募のスケジュールを把握して、計画的な申請を

2025年度の第17回公募に関するスケジュールは、以下のとおり整理されています。

項目日程
公募要領の公開2025年3月4日
申請受付開始2025年5月1日
支援機関確認書の締切2025年6月3日
申請締切(電子申請)2025年6月13日 17:00

申請にあたっては、「支援機関確認書」が必要不可欠です。これは商工会または商工会議所による事業内容の確認書であり、経営計画に対する第三者評価ともいえる存在です。この確認書の発行には、申請者自身が事業計画の下書きを用意し、何度かの面談やフィードバックを経る必要があります。よって、締切ギリギリに動き出すのでは間に合わない可能性が高いため、遅くとも5月初旬には事業計画の草案をまとめておくことが推奨されます。


補助対象となる経費と補助額・補助率の仕組み

本補助金の対象となる経費は多岐にわたり、事業の性質や取組内容に応じて柔軟に設定できます。以下に代表的な項目を示します。

経費区分内容例
広報費チラシ制作、SNS広告費、看板設置
ウェブサイト関連費ECサイト制作費、LP改善費
展示会出展費出展料、装飾、旅費
機械装置等費生産機械、POSレジ
外注費デザイン、映像制作、Web更新など

補助率は、原則として2/3であり、補助上限額は50万円ですが、以下の特例に該当する場合は最大250万円まで補助額が増加します。

特例内容上限加算
インボイス特例免税事業者が適格請求書発行事業者になる場合+50万円
賃金引上げ特例地域の最低賃金を一定額以上上回る給与設定+200万円(赤字企業の場合)

申請に必要な書類と手順を徹底解説

申請には複数の書類が必要ですが、なかでも重要なのは以下の3点です。

  • 経営計画書
  • 補助事業計画書
  • 支援機関確認書(様式4)

これらはそれぞれ役割が異なり、経営計画書では事業の現状分析、課題、強み、将来ビジョンなどを記載します。一方、補助事業計画書は、補助金を使って実際に行う取組内容(広告出稿や新商品の開発など)を、実行計画と数値目標を交えて説明します。これらをまとめた後、商工会議所等に相談し、計画の妥当性について助言を受け、最終的に支援機関確認書を発行してもらいます。

なお、2025年の第17回公募からも引き続き「jGrants」による電子申請が必須です。事前に「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要となるため、未取得の場合はすぐに準備に取り掛かることを推奨します。


採択率アップのための戦略と事業者が陥りがちなミス

補助金の申請では、「通る計画」と「落ちる計画」の差は非常に大きいです。採択されるためには、ただ申請要領に沿って書くだけでなく、「審査員に評価されやすい構成」を意識した工夫が求められます。

主な審査基準には以下が含まれます。

  • 地域経済への貢献度
  • 計画の実現可能性
  • 他との差別化(独自性や競争優位性)

たとえば、ありふれた言葉で「集客力を高めたい」「売上を上げたい」と書くのではなく、「過去のアクセスログから直帰率が高いことが判明」「改善後のLPでCV率を2%から4%に引き上げる」など、裏付けと具体性が評価されます。数値目標は説得力の源です。

また、誤解されがちなのが、計画の「ボリュームが多ければよい」という認識です。冗長な内容は読み手の理解を妨げます。簡潔ながらも要点が明確な資料作りを心がけましょう。


成功事例を活かす!業種別に見る活用パターン

ここでは、業種別に成功した補助金活用事例を紹介します。これは、類似業種の事業者にとって非常に参考になります。

  • 飲食業(東京) インスタグラム連動キャンペーンを実施し、新規来店客が2.3倍に増加
  • 小売業(長野) オンラインショップ開設により、遠方からの注文が全体売上の35%を占めるように
  • 製造業(福岡) 新規設備導入で受注スピードを短縮、取引先からの信頼度が上昇

どのケースも、補助金を「その場しのぎの予算」としてではなく、「将来の持続的利益創出のための投資」として位置づけている点が共通しています。


まとめ

持続化補助金は、単に販路を広げるためだけではなく、事業の抜本的見直しや組織改革にもつながる制度です。特に、補助金をきっかけに「外部視点から自社を見直す」ことで、新たな収益モデルやサービス提供形態のヒントが得られるケースも少なくありません。

第17回公募では、インボイス制度や人件費上昇という社会背景を踏まえた加算特例が設けられており、まさに今が制度活用の好機といえます。事業を成長軌道に乗せるためにも、補助金を単なる経費補助ととらえず、中長期的な経営資源の再配分として活用しましょう。