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業務改善助成金で車やパソコンは対象になる?最新の支給要件をわかりやすく解説

助成金
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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業務改善助成金は、従業員の賃上げと業務効率化を支援する制度として、多くの中小企業が注目しています。特に「車やパソコンの購入は対象になるのか?」という疑問は、実務的にも非常に重要です。本記事では、その答えとともに、対象とされる具体例、注意点、そして申請を成功させるポイントをわかりやすく解説します。

業務改善助成金とは何か?制度の基本情報を確認しよう

業務改善助成金は、中小企業が従業員の賃金を引き上げることを条件に、生産性向上のための設備投資を行う際に支給される制度です。申請主体は中小企業や小規模事業者に限られ、常時雇用している労働者数や資本金などの条件を満たす必要があります。

この制度の大きな目的は、「労働者の処遇改善」を図るとともに「事業者の業務効率の向上」を支援することです。そのため、支給対象となる投資は、業務の改善、効率化を目的としたものでなければなりません。たとえば、紙ベースだった管理作業をパソコンに切り替えたり、非効率だった営業活動を社用車で改善したりするなど、具体的な成果が見込まれるものである必要があります。

以下は制度の概要を表形式でまとめたものです。

項目内容
対象企業中小企業・小規模事業者
主な条件賃金引上げ計画、生産性向上投資
支給額最大600万円(規模により変動)
助成率3分の2または4分の3(条件により異なる)
対象経費設備投資、機器導入、業務改善関連費用

この助成金は「制度を使えば得」という短絡的な動機では通らず、「計画性」と「効果の説明」が必要です。


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車両購入は助成対象になる?実際の適用条件とは

業務改善助成金で車両を購入できるかどうかは、非常に多くの事業者が気にするポイントです。車両は高額で、かつ業務の幅を広げる手段として魅力があります。しかし、助成の対象となるかどうかは、その使用目的によって大きく異なります。

助成対象と認められる車両の代表例には、訪問サービス業務のための営業車、現場移動を要する工事業務の業務用バン、顧客対応の頻繁な営業職で使用する社用車などがあります。一方で、通勤用や社長の私用車などは対象となりません。

以下は、用途別の対象可否を示した表です。

車両用途助成金対象可否説明
営業訪問、配達生産性向上と業務効率に明確な効果がある
商品搬送作業時間削減、交通手段の簡便化が見込まれる
社員通勤用×労働者の福利ではあるが、業務改善の効果が薄い
経営者の移動用×私的用途に近く、助成趣旨に適合しない
レンタカー利用短期利用は非推奨。長期契約やリースが前提

購入する車両については、どのような業務で、どのように改善につながるかを論理的に説明しなければなりません。


パソコンやIT機器の購入は対象経費になる?

パソコンや周辺機器、業務用ソフトウェアは、業務改善助成金の対象として非常に申請数が多い分野です。IT化は多くの業種において業務効率を飛躍的に向上させるため、評価も高い傾向にあります。

ただし、助成の対象となるには、単なる「買い替え」や「高性能機種の導入」では不十分です。「どのような課題をどう解決するのか」まで説明する必要があります。

以下に、代表的なIT関連設備と対象可否をまとめます。

IT設備対象可否解説
業務用ノートパソコン書類管理や顧客対応の時間短縮につながる
勤怠管理ソフト作業時間の把握や管理負担の軽減に貢献する
高性能ゲーミングPC×業務との関連が薄く、趣味・娯楽用と見なされる
プリンターや複合機書類作成・出力作業の迅速化につながる場合対象
タブレット端末使用目的や管理体制によって評価が分かれる

適切な機器を選定し、使用実態と効果を証明できる資料を用意することが採択の鍵です。


助成金を申請するための手順と注意点

申請には綿密な準備と事務処理が求められます。制度はあくまで「生産性向上」と「賃上げ」という2つの軸を満たしていることが前提です。申請までの流れを把握し、必要書類を正しく整えることが重要です。

申請のステップを以下にまとめました。

ステップ内容
事前相談労働局または社労士に計画概要を相談
計画書の作成投資目的、内容、効果、賃上げ計画を記載
見積取得信頼できる業者から見積もりを入手
申請書提出必要書類を一式まとめ、期日までに提出
実施・報告実施後に導入内容と効果を文書で報告

注意点として、機器導入前に申請を行うことが絶対条件です。導入後の申請は対象外となるため、スケジュール管理が極めて重要です。


業務改善助成金でよくある誤解とその対処法

申請にあたっての誤解は意外と多く、注意が必要です。たとえば、「設備があれば助成される」「計画書は形式さえ合っていれば通る」「一度出せば何とかなる」といった思い込みは危険です。

以下はよくある誤解と正しい理解を比較した表です。

誤解実際の運用
車両やパソコンはすべて対象になる使用目的や導入理由が妥当である必要がある
見積があればすぐ申請できる賃上げ計画と業務改善内容が明記されていなければ不可
すぐに結果が出る審査には数週間〜数か月かかる

誤解を避けるためには、専門家の意見を事前に仰ぎ、制度の意図を理解したうえで準備を進めることが欠かせません。


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まとめ

業務改善助成金を活用するには、計画性と制度理解が鍵となります。車両やパソコンといった設備は、条件次第で十分に助成対象となりますが、その条件は「業務との関係性」「導入効果の明確さ」「賃上げ計画との整合性」にあります。

制度の活用は、自社の成長と従業員の満足度向上を同時に実現できる大きなチャンスです。申請に向けては、資料作成だけでなく、組織の目標と整合性のある改善計画を設計する必要があります。

設備購入を考えている場合は、事前相談と情報収集を怠らず、制度の趣旨にかなうかどうかを丁寧に検証しましょう。正確な知識と周到な準備が、助成金獲得の成功を左右するのです。