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色や音は商標登録できる?侵害しないための注意点とは?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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商標というと、企業ロゴや商品名、サービスの名称など「文字や図形」に限られていると思われがちですが、実は「色」や「音」も商標登録の対象になることがあります。特に近年ではブランド戦略が多様化し、視覚や聴覚に訴えるマーケティングが重視される中で、これらの非伝統的商標への関心が高まっています。本記事では、色や音を商標登録するための条件や、侵害を避けるためのポイントについて詳しく解説します。

色や音も商標として登録できるのか?

非伝統的商標として認められるケースがある

日本の商標法では、2015年の法改正によって「色彩のみ」「音」など、いわゆる非伝統的な商標も登録可能となりました。これにより、従来のロゴや文字商標に加えて、五感に訴える要素もブランドの一部として保護されるようになったのです。

ただし、どんな色や音でも登録できるわけではなく、「識別力」と「需要者にとって商品の出所を認識できること」が求められます。単に「赤色」や「チャイム音」だけでは認められず、継続的な使用実績や消費者への認知が登録のカギとなります。


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色彩商標とは何か?

特定の色でブランドが連想される場合に有効

色彩商標とは、特定の色や色の組み合わせだけで構成された商標のことを指します。例えば、有名な事例として、特定のコンビニエンスストアの「緑・白・赤」のストライプや、特定飲料の「青一色の缶」などが挙げられます。

商標の種類具体的例
単色の商標青色一色で構成された缶のデザインなど
色の組み合わせ赤・白・緑のストライプなど

色彩商標は、文字や図形が含まれていない分、識別力を得るには長期にわたる使用実績や、消費者の認識度を示すデータの提出が求められます。


音商標とはどんなものか?

耳に残る音がブランドになる

音商標は、メロディ、効果音、ジングル、キャッチフレーズなど、音によって構成される商標です。たとえば、特定のテレビCMで流れる「じゃん♪」という効果音や、企業ロゴのアニメーションとともに流れる短いメロディなどが該当します。

特徴的な音を長年使用することで、消費者に「その音=その会社」と認識される状態になれば、音商標として登録される可能性があります。登録には、音声ファイルや楽譜などの具体的な資料が必要です。


色や音を商標登録するための条件

識別力と実績が最大のポイント

色彩商標・音商標ともに、以下のような条件を満たすことが求められます。

  • 商品やサービスの出所を特定できる識別性があること
  • 継続的に使用され、消費者に認知されていること
  • 登録の際には、使用実績や広告資料の提出が必要

また、一般的な表現や誰でも使うような色や音は登録対象外となることが多く、「独自性」がカギとなります。


登録が難しいケースとその理由

普遍的・抽象的な要素は却下されやすい

次のようなケースでは、登録が認められない可能性が高くなります。

  • 特定の業界で一般的に使われる色
  • 短すぎる、または単純すぎる音
  • 使用実績が少なく、知名度が十分でない商標
  • 説明資料や認知データが不足している

登録の可否は特許庁の審査官による判断によるため、事前に専門家へ相談することが重要です。特に非伝統的商標は、通常の商標以上に審査が厳しくなる傾向があります。


商標権侵害を避けるための注意点

他人の権利を侵害しないための事前調査が必須

色や音の商標は、一見すると見落としやすいため、知らないうちに他者の権利を侵害してしまうリスクがあります。以下の点に注意が必要です。

  • 自社が使用する音や配色が既存商標に登録されていないか確認する
  • 類似する商標がないか、専門データベースで調査を行う
  • 使用する際は商標としての利用であるかを意識する

侵害が認められた場合は、使用差止請求や損害賠償請求の対象となるため、事前の確認と法的対策が不可欠です。


登録に向いている業種や場面とは?

ブランド価値を音や色で高めたい企業に最適

非伝統的商標の活用は、以下のような業種や場面で効果を発揮します。

  • 飲料、食品、化粧品などパッケージの色が重要な業種
  • テレビCMや動画広告で音を活用している企業
  • ブランド認知度をさらに高めたい企業
  • 長年使ってきた独自の配色やメロディを守りたい場合

特に、視覚・聴覚による印象が強い業界では、他社との差別化を図る強力なツールとなります。


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まとめ

色や音も、条件を満たせば商標登録が可能であり、ブランド戦略の一環として活用することで、大きな価値を生み出すことができます。ただし、登録には識別力や使用実績といった厳格な要件が課されるため、事前の準備と専門的なアドバイスが重要です。

また、自社が使う要素が他人の登録商標に該当していないかを確認することも忘れてはなりません。非伝統的商標は、知的財産の新たな形として、企業にとって重要な資産となり得るでしょう。