, インボイス制度が関係ない業種はある? | シェアマインド経営サークル

インボイス制度が関係ない業種はある?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

詳しく見る

2023年10月にスタートしたインボイス制度により、消費税の取引や請求書発行のルールが大きく変わりました。一方で、「自分の業種は関係あるのか」「免税事業者だが登録すべきか」と疑問を感じている方も多いはずです。本記事では、インボイス制度が直接関係しない業種やその理由、関係の薄いケースに該当するかどうかの判断ポイントを解説します。

インボイス制度とは何かを簡単におさらい

インボイス制度とは、正式には「適格請求書保存方式」と呼ばれ、消費税の仕入税額控除の要件として、買手が受け取る請求書に「適格請求書発行事業者番号」が必要となる制度です。

制度の対象となるのは、消費税の課税事業者です。これにより、仕入先が免税事業者であった場合、買手が仕入税額控除をできなくなるケースが出てくるため、取引先の選定にも影響が及ぶ可能性があります。


経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

インボイス制度が関係ない・影響が小さい業種の特徴

インボイス制度が直接的な影響を及ぼさない、または関係が比較的小さい業種には共通した特徴があります。以下にまとめます。

業種の特徴解説
消費税の非課税取引が中心医療、介護、教育、住宅賃貸などの分野はもともと消費税の課税対象外
一般消費者相手の商売BtoCビジネスは、顧客が仕入税額控除を行わないため、インボイスの有無が問われにくい
免税事業者として営業を継続年商1,000万円以下の小規模事業者で、引き続き免税事業者を選択しているケース
単発・スポット契約が多い職種ライターやデザイナーの一部では、非継続的な取引先との関係で登録が求められない場合も

たとえば、近所の美容院や個人経営の学習塾、または収入が少ない副業的なライター業などは、取引先が仕入税額控除を必要としないため、インボイス登録の必要性が低いケースが多くあります。


実際に関係の薄い業種の例

以下に、インボイス制度の影響が比較的小さいとされる具体的な業種を一覧で紹介します。

業種インボイス制度の影響度理由
医師・歯科医師医療行為は消費税非課税
保育士・介護士福祉・介護サービスも非課税扱い
教育関係(塾、家庭教師)教育サービスの多くが非課税
賃貸住宅の大家住宅の貸付は消費税対象外
飲食店・美容室(個人経営)BtoC中心であるため顧客がインボイスを求めない
個人ライター・イラストレーター免税事業者として続けることが可能な収益水準なら影響小

ただし、免税事業者でも今後の取引先方針や、業界団体からの登録要請により影響を受ける可能性もあるため、自身のビジネス環境を見直すことは重要です。


関係がないと考える前に確認すべきポイント

インボイス制度が「自分に関係ない」と思い込むのは危険です。以下のような項目を確認することで、制度の影響度を正確に把握することができます。

チェック項目意味
年商1,000万円以下か免税事業者であるかどうかの判断基準
取引先が法人か個人か法人が取引相手の場合、インボイスを求められる可能性が高い
継続取引があるか繰り返し業務を請け負うなら登録が求められる傾向がある
今後の事業拡大予定があるか将来課税事業者になるなら早めの対応が得策
業界団体に所属しているか登録を推奨・義務付けしている団体も存在

これらを踏まえたうえで「関係ない」と判断するのであれば、免税事業者のままでも問題ない可能性は高いです。ただし、将来の取引の幅や信頼性を考えると、登録しておいた方が有利なケースもあります。


経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

まとめ

インボイス制度は消費税の取引に関係する制度であり、すべての業種・事業者に影響するわけではありません。医療・教育・福祉などの非課税業種、BtoCビジネス中心の業種、小規模で免税事業者として活動している方にとっては、制度の影響が限定的です。

しかし今後のビジネス展開や取引先の意向によっては、インボイスの有無が取引の条件になることもあります。自身の立場や取引状況をしっかり見直し、必要に応じた対応を取ることが、スムーズな事業運営のカギとなります。