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法人税・法人住民税の違いは?法人事業税とは?それぞれについて詳しく解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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企業を経営していると、避けて通れないのが「法人税」に関する知識です。特に混同されやすいのが、法人税・法人住民税・法人事業税の3つ。それぞれの税目は異なるルールと目的に基づいて課税され、納付先や計算方法にも違いがあります。この記事では、これら3つの税金の違いと特徴、仕組み、計算の考え方などをわかりやすく解説し、企業経営における税務理解を深めていただきます。

法人税・法人住民税・法人事業税とは?それぞれの概要

法人が支払う主要な税金には、以下の3つがあります。

税目税の種類課税主体納税先課税対象
法人税国税税務署所得(益金-損金)
法人住民税地方税都道府県・市区町村自治体法人税額・均等割
法人事業税地方税都道府県都道府県所得または外形標準課税

3つの税はいずれも法人の利益に対して課税される点では共通していますが、使われる用途、計算方式、納税先が異なります。それぞれの税の本質を理解しておくことが、節税や資金繰り対策にもつながります。


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法人税とは?企業が国に納める基本税

法人税は、法人の所得に課される国税です。法人が事業を通じて得た利益(益金から損金を差し引いたもの)に対して課税されます。会社を設立したすべての法人が対象となり、決算後の確定申告で税額を計算して納付します。

法人税の基本情報は以下の通りです。

項目内容
納税先税務署(国)
課税対象所得(益金-損金)
納税方法申告納税(法人が自ら税額を計算し申告)
税率約23.2%(中小法人の年800万円以下の所得部分は15%)
対象法人株式会社、合同会社、NPO法人など法人格のある団体

利益が大きければ大きいほど税額も増える仕組みとなっており、赤字の場合は法人税は発生しません。


法人住民税とは?地域社会への貢献として課される税

法人住民税は、法人の所在地である都道府県・市区町村に納める地方税です。会社が地域社会のインフラや公共サービスを利用する対価として課税される意味合いがあり、「法人税割」と「均等割」の2つの構成で成り立っています。

項目内容
税の構成法人税割+均等割
法人税割法人税額をもとにした一定の割合の税(都道府県と市区町村に納付)
均等割利益の有無にかかわらず一律に課税される部分
納税先所在地の自治体(都道府県・市区町村)
課税対象所得・法人税額

赤字の法人であっても、均等割は納税義務が発生します。地域に法人が存在すること自体に意味があるため、所得がない場合でも負担が求められる仕組みです。


法人事業税とは?事業活動に対する地方税

法人事業税は、都道府県が課税する地方税で、法人の事業活動そのものに対して課されます。法人税とは異なり、企業規模や雇用状況に応じて税額が変動する「外形標準課税制度」も導入されています。

項目内容
納税先都道府県
課税対象所得(中小企業)+外形(資本・人件費など)
特徴外形標準課税の導入により赤字でも課税される場合あり
税率約3.4〜6.7%(所得に応じて変動)

資本金1億円を超える企業は、所得の有無にかかわらず外形基準での課税がされるため、業績が悪化しても負担が発生します。


3つの法人税の違いを比較

項目法人税法人住民税法人事業税
税の種類国税地方税地方税
課税主体自治体(都道府県・市区町村)自治体(都道府県)
納付先税務署自治体自治体
課税対象所得所得・法人税額所得・外形基準
赤字法人の課税なし均等割あり外形基準で課税の可能性あり
税率約15〜23.2%約7〜12%+均等割約3.4〜6.7%

それぞれの違いを理解することで、税務処理や納付準備を的確に行えるようになります。


法人税関連の納付タイミングと注意点

税金は、タイミングを逃すと延滞税や加算税の対象となります。決算月を基準として、期限を把握しておきましょう。

税目申告期限納付期限
法人税決算月の翌日から2か月以内申告と同時に納付
法人住民税法人税と同様法人税と同様
法人事業税法人税と同様法人税と同様

なお、予定納税や中間申告が必要になる場合もあるため、税理士との連携や会計ソフトの導入が有効です。


節税のために知っておくべきポイント

税負担を軽減するためには、正しい知識と適切な手続きが欠かせません。

節税策内容
経費の適正処理資産計上すべきものを経費にせず、正確に処理すること
減価償却の活用計画的に償却資産を導入することで税額を調整できる
中小企業向け軽減措置所得800万円以下の軽減税率などを活用する
節税目的の投資中小企業投資促進税制などの活用

過度な節税対策は逆にリスクとなる場合があるため、専門家の意見を取り入れて判断することが大切です。


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まとめ

法人が支払う法人税、法人住民税、法人事業税の3つは、企業経営における重要な義務です。それぞれの税金には目的、計算方法、納付先の違いがあり、正しく理解していなければ思わぬ負担やミスに繋がる恐れもあります。経営の健全化と資金繰りの安定のためにも、税金の仕組みを把握し、適切な対応を行うことが求められます。わからない場合は、専門家に早めに相談することも重要です。