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裁量労働制とは?ポイントと対応方法も解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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裁量労働制とは、実際の労働時間ではなく、あらかじめ決められた時間働いたとみなす制度です。労働時間の管理方法が通常の労働制度とは異なり、正しく理解しておかないとトラブルの原因になることも。本記事では、裁量労働制の基本ルールやメリット・デメリット、企業と労働者の対応方法について詳しく解説します。


裁量労働制とは?

裁量労働制とは、実際の労働時間に関係なく、一定時間働いたとみなす制度です。

通常の労働制度では「出社時間~退社時間」で労働時間が決まりますが、裁量労働制では事前に決めた労働時間を働いたものとみなすため、出退勤の管理が必要ありません。

裁量労働制の基本ルール

項目内容
適用対象一部の専門職・企画業務に限られる
労働時間の決定方法会社と労働者の合意で「みなし労働時間」を決定
時間外労働の扱いみなし労働時間を超えた場合は割増賃金が発生
出退勤管理基本的に不要だが、業務の進捗管理は必要

裁量労働制=「働く時間を自由に決められる」と誤解されがちですが、実際には適用条件や労働時間のルールが厳格に定められています。


裁量労働制の種類

裁量労働制には、「専門業務型」と「企画業務型」の2種類があり、それぞれ適用される職種やルールが異なります。

1. 専門業務型裁量労働制

特定の専門業務に従事する労働者が対象で、職務の性質上、業務遂行の手段や時間配分を労働者の裁量に委ねるべき仕事に適用されます。

項目内容
適用職種研究職、システムエンジニア、デザイナー、新聞記者など
導入手続き労使協定の締結が必要
みなし労働時間会社と労働者の合意で決定

2. 企画業務型裁量労働制

企業の経営方針や事業戦略に関わる企画・立案業務が対象で、経営者に近い立場で業務を進める職種に適用されます。

項目内容
適用職種経営企画、事業開発、人事戦略など
導入手続き労使委員会の設置と5分の4以上の賛成が必要
みなし労働時間会社と労働者の合意で決定

企画業務型は、専門業務型よりも導入ハードルが高く、労働時間管理が適切に行われているか厳しくチェックされます。


裁量労働制のメリット・デメリット

裁量労働制は、労働者にとっても企業にとってもメリットがある一方で、適切な管理をしないとトラブルの原因にもなります。

メリット

メリット内容
労働時間を自由に調整できる一定の裁量が認められ、働く時間を柔軟に決められる
成果主義の働き方ができる業務の成果を重視し、時間ではなくアウトプットで評価される
長時間労働の抑制みなし労働時間制によって、過度な時間管理の負担が減る

デメリット

デメリット内容
長時間労働のリスク仕事量が適切でないと、実際の労働時間が長くなりすぎる
労働時間の管理が難しい労働時間を記録しないため、適正な管理が難しくなる
業務成果が不明確になりやすい成果が明確に評価されないと、不公平感が生じる

特に、「実際には長時間働いているのに、残業代が支払われない」といった問題が起こるケースがあるため、企業は適切な管理が求められます。


企業の対応方法

裁量労働制を適切に運用するために、企業が行うべき対応を紹介します。

1. 労使協定や労使委員会の適正な運用

裁量労働制を導入するには、労使協定の締結(専門業務型)や労使委員会の設置(企画業務型)が必要です。

対応内容
適用対象を明確にする裁量労働制が適用される職種や業務範囲を定める
適正な労働時間を設定みなし労働時間が妥当であるかを検討する
運用ルールを従業員に説明労働者が不利益を被らないように適切な説明を行う

2. 労働時間の実態を把握する

裁量労働制の労働時間管理は難しいため、実際にどれくらい働いているかを把握する仕組みが必要です。

対策内容
自己申告制度の導入労働者に日々の労働時間を記録させる
健康管理の強化過労を防ぐために定期的な健康診断を実施する
適正な業務量の調整過度な業務負担が発生しないよう、業務配分を見直す

企業が労働時間を適切に管理しないと、裁量労働制の乱用とみなされ、法的責任を問われる可能性があります。


まとめ

裁量労働制は、労働時間の自由度が高い反面、適切な管理が求められる制度です。

  • 「専門業務型」と「企画業務型」の2種類がある
  • 実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ決められた労働時間で給与が支払われる
  • 長時間労働のリスクがあるため、企業は適正な管理を行う必要がある

適切な運用を行い、労働者にとっても企業にとってもメリットのある裁量労働制を実現しましょう。