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無期契約社員って何?正社員との違いは?

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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契約社員として働いていて「無期雇用に切り替えられる」と言われたものの、それが正社員とは違うことをご存知ですか?「無期契約社員」と「正社員」はいずれも契約期間の定めがない雇用形態ですが、待遇や雇用安定性、将来性には明確な違いがあります。本記事では、無期契約社員の意味と仕組み、正社員との違いを分かりやすく解説し、それぞれのメリット・デメリットや注意点について紹介します。

無期契約社員とは?

法律上の定義と背景

無期契約社員とは、契約期間に定めのない「期間のない契約社員」です。もともと有期契約で雇用されていた労働者が、一定条件を満たしたときに申請できる「無期転換ルール」により切り替わった雇用形態です。

項目内容
契約期間なし(定年までの雇用継続が可能)
該当条件同一企業で通算5年を超える有期雇用契約を結んだ者
転換の方法労働者が申請 → 企業が応じる義務あり
法的根拠労働契約法第18条に基づく制度

この制度により、有期雇用による雇止めの不安から解放される点が大きな特徴です。


無期契約社員と正社員の違い

無期契約社員は「期間の定めがない」点で正社員と似ていますが、待遇や昇進・評価制度では異なるケースが一般的です。

比較項目無期契約社員正社員
雇用期間無期限(定年まで)無期限(定年まで)
基本給・手当一部制限があることが多い(賞与・昇給なし等)福利厚生や昇給・賞与あり
昇進・昇格限定されていることが多い管理職や幹部候補への登用あり
職務内容・転勤有無限定的(専門職や勤務地限定など)総合職として配置転換や転勤の可能性あり
解雇リスク比較的低いが、正社員より立場はやや弱い雇用保障が厚く、整理解雇の要件も厳しい

企業によっては待遇を正社員とほぼ同等にしているケースもありますが、法的義務はありません。


無期契約社員になるメリットとデメリット

メリット項目内容
雇止めの不安が解消される有期契約のように更新の必要がなく、安定した雇用が継続される
退職金制度などが対象になる条件により正社員と同様の福利厚生を受けられることもある
職務限定で働ける転勤や異動のない働き方が可能なケースもあり、家庭事情との両立がしやすい
デメリット項目内容
昇進・昇格の機会が少ないキャリアアップやポジションの変更が限定されることが多い
賃金が正社員より低いことも昇給や賞与、退職金がない、または少ないケースがある
雇用形態による区別がある同じ仕事でも「正社員ではない」という扱いを受ける可能性がある

無期転換を希望する際の注意点

条件確認と手続きのタイミングが重要

無期転換は自動的に行われるのではなく、労働者からの申込みが必要です。以下の点に注意しましょう。

注意点内容
通算契約年数の把握同一企業で5年を超えていれば対象になる
更新期間の確認契約期間満了の6か月前からの申し込みが理想
就業規則の確認無期転換後の待遇がどうなるかは、会社の就業規則に明記されているかを確認する
書面での申請申し込みは口頭ではなく、証拠が残るように書面やメールで行う

企業側が不当な拒否をする場合は、労働局や労働相談窓口に相談することも検討しましょう。


まとめ

無期契約社員とは、「期間の定めがない契約社員」という雇用形態であり、正社員とは待遇や制度面で明確な違いがあります。ただし、雇止めのリスクがなくなる点では、大きな安心感が得られる制度でもあります。正社員を目指す一歩として、また柔軟な働き方を選ぶ手段として、無期転換制度を上手に活用していきましょう。