「初めての面接官、何を聞けばいいのかわからない」「失礼な対応をしてしまったらどうしよう」――そんな不安を抱える新任面接官は多くいます。面接は企業の顔として応募者と接する重要な場であり、ちょっとした対応ミスが採用の成否を分けることもあります。本記事では、初めて面接を担当する方に向けて、やってはいけない行動や押さえておきたいポイントを解説します。
初面接官がやってしまいがちなNG行動とは?
面接の経験が少ないと、無意識のうちに不適切な対応をしてしまうことがあります。以下は特に注意が必要な項目です。
1. 一方的に話しすぎる
- 自社の紹介や業務内容に夢中になるあまり、応募者に質問する時間が極端に短くなるケースがあります。面接は「話す場」ではなく「聞く場」です。
2. 圧迫的な態度を取ってしまう
- 意図せず強い口調になったり、無表情で相手の話を聞いたりすると、応募者は委縮して本来の力を発揮できません。
3. 評価基準が曖昧
- 「なんとなく良さそう」「雰囲気が合わない」といった主観で判断してしまうと、公平な選考ができず、組織内でもトラブルの原因になります。
4. 法的にNGな質問をする
- 家族構成、結婚予定、宗教、出身地など、採用とは無関係なプライベートな質問は差別とみなされる可能性があります。
5. 応募者を下に見る態度
- 面接官の中には「選んでやっている」という上から目線になるケースがありますが、今は応募者も企業を見ている時代。対等な姿勢が求められます。
面接で押さえるべき基本のポイント
初めての面接官でも、以下のポイントを意識することで、安心して面接を進められます。
1. 面接の目的を理解する
- 面接の目的は「スキル」だけでなく「人物面」「価値観」「企業との相性」を見極めること。事前に評価項目を共有しておくと、迷いが少なくなります。
2. 質問内容を準備しておく
- 応募者全員に共通する質問(志望動機、これまでの経験など)と、職種やスキルに合わせた個別質問を用意しておきましょう。
3. 応募者の話を深掘りする
- 回答を聞いたら「なぜそう考えたのか」「そのときどう行動したのか」など、具体的なエピソードに迫る質問を重ねましょう。
4. 相手への敬意を忘れない
- 目を見て話す、うなずく、笑顔を見せるなど、基本的なコミュニケーションで安心感を与えることが重要です。
5. 面接後の記録を丁寧に残す
- 「どう感じたか」だけでなく、「何を聞き、どう答えたか」を記録しておくと、複数人での評価や比較がしやすくなります。
面接の進め方テンプレート
面接に慣れていない場合は、次のような流れを参考にするとスムーズです。
面接の流れ | 内容 |
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1. あいさつ・簡単な自己紹介 | 緊張をほぐすため、企業側の面接官の名前・役職を伝える |
2. 面接の目的と流れの説明 | 「本日は●分で面接を進めてまいります」「質問→質疑応答の順で進めます」など明確にする |
3. 応募者の自己紹介 | 1〜2分で話してもらい、以降の質問の糸口とする |
4. 質問・深掘りタイム | 職歴・実績・志望動機・キャリアの方向性などを丁寧に聞き出す |
5. 逆質問の時間 | 応募者から企業への質問を受ける |
6. 終了の案内と今後の流れ | 結果通知の時期や次回面接の有無などを説明し、感謝の言葉で締めくくる |
まとめ
面接官は、企業と応募者をつなぐ橋渡し役です。初めての面接でも、基本を押さえ、誠実に対応することで、応募者の本音を引き出し、ミスマッチのない採用につなげることが可能です。「面接官=評価者」ではなく、「応募者の可能性を引き出す支援者」という視点を持ち、丁寧な対応を心がけましょう。