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インシデントって?アクシデントとの違いは?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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ビジネスや医療、情報セキュリティの現場でよく聞かれる「インシデント」という言葉。しかし、「アクシデントとの違いがよくわからない」という声も少なくありません。類似した印象のあるこの2つの用語には、実は明確な違いがあります。本記事では、インシデントとアクシデントの定義とその違い、さらにビジネスでの活用シーンや対応ポイントについてわかりやすく解説します。

インシデントとは?

インシデントとは、「事故や損害には至らなかったが、放置すれば重大なトラブルにつながりかねない事象」を指します。実害は出ていないものの、業務や安全、セキュリティに影響を及ぼす予兆と捉えられます。

分野インシデントの例
医療薬の取り違えに気づいて投与前に修正した
ITサーバーに不審なアクセスログがあった
職場安全工場で作業員がつまずいたがケガはなかった

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アクシデントとは?

アクシデントとは、実際に被害や損害が発生した“事故”を指します。物的損害、人身事故、サービス停止など、明確な影響が出ている状況が対象です。

分野アクシデントの例
医療誤投薬により患者が体調を崩した
ITサーバーダウンによってシステムが停止した
職場安全作業中に機械が暴走し、けが人が出た

インシデントとアクシデントの違い

項目インシデントアクシデント
状態被害は発生していない実際に被害が発生している
対応の緊急度初期段階の対応・予防が主緊急対応と被害拡大の防止が必要
管理目的事故の未然防止原因分析と再発防止
ヒヤリハット重大事故・トラブル

なぜインシデント管理が重要なのか?

インシデントは、「アクシデントの一歩手前」です。そのまま見逃せば、大きな損害につながるリスクがあります。したがって、早期に把握・記録・対応することで、組織全体の安全性・信頼性を大きく高めることができます。

効果説明
リスクの早期発見小さな兆候から大きなトラブルを未然に防ぐ
組織の学習機会インシデントの蓄積が業務改善や教育に活用できる
クライシス対応の迅速化過去の事例から初動対応が迅速・的確になる

インシデント報告・管理のポイント

1 小さな異変でも必ず報告

「これくらいなら大丈夫」と判断せず、気づいた段階で記録・報告することが重要です。ヒヤリとした体験こそ、重要なインシデントです。

2 責任追及よりも改善視点で運用

インシデント報告が進まない職場では、「報告すると責められる」という空気が原因のこともあります。報告の目的は“責任追及”ではなく、“再発防止と学習”であることを明確に共有しましょう。

3 情報を蓄積・分析して活用する

集まったインシデント情報は、定期的に分析・共有することで「傾向」が見えてきます。そこから業務フローの見直しやマニュアルの改善につなげることが重要です。


ビジネスでの活用シーンと具体策

業界活用例
製造業作業ラインの異音や違和感を記録し、定期点検を強化
接客業顧客対応での言葉遣いミスを共有し、応対トレーニングに反映
情報システムシステム操作ミスの傾向を分析し、UI改善を実施

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まとめ

インシデントとは、事故に至る前の兆候であり、アクシデントとは異なり「未然の段階」で対応できる貴重なシグナルです。両者の違いを正しく理解し、日々の業務で小さな異変にも注意を払い、報告・共有する文化を育てることが、組織全体の安全性と信頼性を高める鍵となります。問題が起きてから対応するのではなく、「起きる前」に気づける組織づくりを目指しましょう。