, ご愛顧いただきは上司に使ってはいけない?意味と使い方を解説 | ビズスキルDX

ご愛顧いただきは上司に使ってはいけない?意味と使い方を解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

詳しく見る

「ご愛顧いただき」はビジネスでよく使われる表現ですが、相手によっては使い方に注意が必要です。この記事では、「ご愛顧いただき」の正しい意味や敬語としての扱い、上司に使ってよいのか、言い換え表現までを詳しく解説します。

ご愛顧いただきの意味とは

長く支えてくれることへの感謝を込めた表現

「ご愛顧いただき」とは、相手が継続して利用・支持してくれていることへの感謝を丁寧に伝える言葉です。「愛顧」とは「ひいきにしてもらうこと」「特別に目をかけてもらうこと」を意味し、主に顧客や取引先に対して使用されます。

この表現は、企業の挨拶文やビジネスメール、年末年始のご挨拶などでよく用いられます。


ご愛顧いただきは上司に使える?

上司への使用は控えるのが無難

「ご愛顧いただき」は一般的に「目上の相手からの恩恵を受けたこと」に感謝する意味合いで用いられますが、社内の上司に対して使うのは不自然であるとされています。

その理由は、「ご愛顧」はもともと「継続的にひいきしてもらう」意味を持ち、企業対顧客など、一定の立場がある関係で使用されるからです。社内の上司は顧客ではなく、日々の業務で一緒に活動する関係であり、「ひいきにしてもらう」というニュアンスが不適切になることがあります。

相手使用の可否理由
顧客・取引先使用可継続的な支援や利用に感謝する表現として適切
社内の上司使用不可ひいきされるという表現が上下関係を誤認させるため
同僚使用不可対等な関係の中では不自然な表現

「ご愛顧いただき」の正しい使い方と例文

外部への感謝に使うのが基本

「ご愛顧いただき」は、下記のような場面で使用されます。

使用シーン例文
年始の挨拶旧年中は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
メールの締め言葉今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
サービス終了時長らくのご愛顧、誠にありがとうございました。

このように、顧客や取引先に対して「長く支援いただきありがとうございます」という意味で使うと、自然で丁寧な印象になります。


「ご愛顧いただき」の言い換え表現

上司や同僚には別の言葉を選ぼう

上司に感謝の気持ちを伝えたい場合は、「ご愛顧」以外の言い回しが適切です。以下のような表現を使うと、より自然で丁寧な印象になります。

言い換え表現使用シーン備考
ご指導いただき上司や先輩への感謝業務上の支援に対して感謝を伝える時に使う
ご配慮いただき上司の気遣いに対して丁寧でややフォーマルな印象
ご尽力いただき協力や支援に対して上司やチーム全体に感謝を伝える場面で有効
ご支援いただき上司・社外問わず使用可幅広く感謝を表現できる

「ご愛顧」に関する注意点

二重敬語や過剰表現に注意

「ご愛顧いただき」は既に丁寧な表現ですが、さらに敬語を重ねてしまうと、過剰表現になることがあります。以下のような誤用には気をつけましょう。

誤用例修正例
ご愛顧いただいておりますところを厚く御礼申し上げますご愛顧賜り、厚く御礼申し上げます
ご愛顧いただいて誠にありがとうございますご愛顧賜り、誠にありがとうございます

「ご愛顧」と「賜る」は同じ意味を重ねて使用するため、使いすぎるとくどい印象になってしまいます。


まとめ

「ご愛顧いただき」は、顧客や取引先に対する感謝を伝えるときに適切な表現です。しかし、上司や同僚に使うと不自然な印象を与えることがあります。相手との関係性をよく考え、状況に合った敬語表現を選ぶことが、円滑なコミュニケーションにつながります。