リワークって何？意味やメリットとデメリットを解説

うつ病などのメンタル不調で休職した社員が職場復帰を目指す際に活用される「リワーク」という制度。再発予防や円滑な復職のサポートとして注目されています。この記事では、リワークの意味や目的、導入のメリット・デメリット、実施内容について詳しく解説します。

リワークとは？

リワーク（Rework）とは、うつ病などの精神疾患を理由に休職している人が、再び職場に復帰するためのリハビリテーションプログラムです。医療機関や就労支援機関、企業の産業保健スタッフなどが連携し、復職までの準備を段階的に支援します。

項目	内容
意味	再び働くための支援（Re：再び＋Work：働く）
対象者	うつ病、適応障害、双極性障害などで休職中の社員
実施機関	医療機関、リワークセンター、ハローワークなど
実施内容	集団プログラム、個別面談、生活改善支援、職場復帰訓練など

リワークは職場復帰の「準備運動」として、精神面・生活面・スキル面の回復を総合的に支援します。

うつ病などの精神疾患による休職者は年々増加傾向にあり、復職後の再発率が高いことが大きな社会問題となっています。

背景要因	内容
再発率の高さ	うつ病からの職場復帰者の約半数が1年以内に再休職すると言われている
復職判断の難しさ	医師による復職可の診断だけでは、現場の実態に合わないケースがある
職場環境の変化	急な業務再開や人間関係のストレスが再発の引き金になることがある
組織側の不安	同僚や上司がどう接してよいか分からないなどの課題も

こうした背景から、段階的かつ客観的に復職を支援するリワークの重要性が高まっています。

リワークプログラムは、復職に向けて必要な要素をバランスよく取り入れています。

多くのリワーク施設では、約3か月〜6か月の通所プログラムが主流です。

リワークを活用することで、当事者・企業双方に次のようなメリットが生まれます。

対象	メリット
本人	無理のないステップで復職準備ができる、再発リスクが軽減される
企業	復職者の定着率が高まり、人材流出や再休職のリスクが減る
医療機関	治療と社会復帰支援をバランスよく行える
職場	復職に向けた対応準備やチームの理解促進ができる

単なる「復帰」ではなく、「継続的に働き続けられる」状態を目指せる点が大きな特徴です。

リワークにはメリットだけでなく、以下のような課題やデメリットもあります。

デメリット	内容
経済的負担	通所期間中の収入減、通所費用がかかる場合がある
時間の制約	数か月単位での通所が必要で、スケジュール調整が必要
職場との調整の難しさ	復帰タイミングや業務配慮の調整に手間がかかる場合がある
誤解や偏見	リワーク利用者に対する職場の理解不足や誤解も残ることがある
専門機関の地域差	地域によって支援機関や医療機関の体制が不十分な場合がある

導入には制度や支援機関の理解、企業側の柔軟な対応が求められます。