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IT導入補助金とは?わかりやすく仕組みや申請手順・採択のポイントまで解説

補助金
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がデジタル化を進めるための強力なサポート制度です。本記事では、IT導入補助金の概要、対象となる企業、補助されるツール、申請方法までをわかりやすく整理しました。初めての方でも安心して取り組めるよう、具体的なポイントを丁寧に解説しています。

IT導入補助金とは?基本概要と目的

IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、経済産業省が推進する支援制度で、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際の経費を一部補助するものです。この制度は、業務効率化と生産性向上を支援することを目的としています。具体的には、クラウド会計システム、顧客管理(CRM)ツール、労務管理ソフトなどの導入に活用できます。

コロナ禍以降、テレワーク対応も急速に進み、これに関連するツールも対象範囲に加えられました。これにより、働き方改革を進める企業にも有効な制度となっています。IT導入補助金を活用することで、企業は導入コストを抑えつつ、業務改革を推進することができ、結果的に競争力強化へとつながります。政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」にも資する取り組みとして、近年ますます注目を集めています。


IT導入補助金の対象者と利用できるツール

対象となる企業・事業者

IT導入補助金の対象となるのは、日本国内で事業を営む中小企業、小規模事業者、医療法人、社会福祉法人などです。ただし、資本金や従業員数の上限が業種別に設定されており、基準を超える企業は対象外となります。製造業であれば資本金3億円以下、従業員数300人以下、小売業なら資本金5千万円以下、従業員50人以下が目安です。

なお、対象範囲にはNPO法人や一部の個人事業主も含まれています。ただし、風俗営業等規制法の対象となる業種や反社会的勢力に関わる事業者は、申請対象外とされるため注意が必要です。また、事業計画書の作成時には「生産性向上指標」の達成目標を明確に設定することが求められます。


対象となるITツールとは

IT導入補助金で導入できるITツールは、国が認定する「IT導入支援事業者」が事前登録したものに限られます。主な分類は以下の通りです。

ITツール分類具体例
業務管理システム受発注管理、在庫管理
顧客管理(CRM)顧客情報一元管理、分析ツール
財務・会計ソフト会計処理自動化
労務管理ツール勤怠管理システム
セキュリティツールウイルス対策、データ暗号化
テレワーク推進ツールWeb会議システム、VPN

これらツールを導入することで、ペーパーレス化、業務スピードアップ、情報漏洩リスク低減など多方面のメリットが期待できます。


IT導入補助金の申請方法とスケジュール

申請の流れ

IT導入補助金の申請は、支援事業者と連携しながら進めるのが基本です。手続きの概要を以下にまとめます。

手順内容
1支援事業者の選定・提携
2自社に合うツール選定
3事業計画書・導入効果の作成
4GビズIDの取得
5申請システムからオンライン申請
6事務局の審査・採択結果通知
7導入・実績報告提出
8補助金支払

特に重要なのは、申請書に「導入後の生産性向上の見込み」を数値で明示することです。これにより採択率が大きく変わるため、支援事業者と密に相談しながら進めましょう。


公募期間とスケジュール

IT導入補助金は、通常、年間4~5回程度の公募スケジュールで実施されます。1回ごとに締切があり、応募できるタイミングを逃さないよう注意が必要です。また、各回には予算枠が設定されているため、先着順ではないものの、早期に応募が殺到した場合は採択競争が激しくなることもあります。

加えて、特定枠(例:デジタル化基盤導入枠)では締切日が異なることもあるため、最新情報を公式サイトなどで随時確認することが大切です。


IT導入補助金の補助率と補助金額

補助率とは?

補助率とは、導入費用に対して国が支援する割合を指します。通常枠では2分の1(50%)が基本ですが、特別枠に申請する場合は最大3分の2(66%)まで引き上げられます。たとえば、150万円のITツールを導入する場合、通常枠なら75万円、特別枠なら最大100万円の補助が受けられる計算になります。さらに、クラウドサービス利用料についても最大2年分が補助対象になるなど、柔軟な支援が設けられています。


補助金額の上限と下限

補助金額の範囲は導入するツールや申請枠によって異なります。整理すると以下の通りです。

申請枠下限額上限額
通常枠(A類型)30万円150万円
通常枠(B類型)150万円450万円
デジタル化基盤導入枠5万円350万円

導入するツールの費用に応じて最適な枠を選択することがポイントとなります。


IT導入補助金を活用するメリット

コスト削減と生産性向上

IT導入補助金の活用によって、初期投資を抑えながら先進的なシステムを取り入れることが可能になります。これにより業務の自動化、標準化が進み、ヒューマンエラーの低減や業務スピード向上に直結します。さらに、社内の業務プロセスが可視化されることで、継続的な業務改善も促進され、組織全体の生産性が飛躍的に向上する効果が期待できます。


デジタル化推進への一歩

補助金を利用することで、リスクを最小限に抑えながらIT化を進めることができます。これまでIT導入に踏み切れなかった企業も、ハードルを下げるきっかけとなり、将来的な業務改善や市場競争力の強化に繋がります。小規模な投資から段階的にデジタル化を進められる点も、導入に対する心理的ハードルを低くする要素となっています。


まとめ

IT導入補助金は、今後ますます重要性を増すデジタル化時代において、中小企業や小規模事業者にとって大きな追い風となります。制度を正しく理解し、戦略的に活用することで、企業の成長スピードを飛躍的に高めることが可能です。未来のビジネス環境に適応するために、今こそIT導入補助金を積極的に活用し、デジタル変革への第一歩を踏み出しましょう。