人材の早期離職やミスマッチが課題となる中で注目されている考え方がフィットジャーニーです。採用して終わりではなく、入社前から入社後までの流れを一つの道筋として捉え、組織と個人の適合を高めていく点が特徴です。本記事では、フィットジャーニーの基本的な考え方と重要なポイントを整理して解説します。
フィットジャーニーとは何か
組織と個人の適合を高める考え方
フィットジャーニーとは、採用活動から入社後の定着や活躍に至るまでの一連のプロセスを通じて、組織と個人の適合度を高めていく考え方です。単にスキルや経験が合っているかを見るのではなく、価値観や働き方、成長意欲といった要素も含めて、段階的にフィットを確認し育てていく点に特徴があります。入社前の期待と入社後の現実のギャップを小さくすることで、長期的な活躍につなげることを目的としています。
フィットジャーニーが注目される背景
人材の定着と活躍が重視される時代
近年は人材の流動化が進み、採用難や早期離職が多くの企業にとって大きな課題となっています。採用時点だけで判断すると、入社後に価値観の違いや業務理解の不足が明らかになり、結果として離職につながるケースも少なくありません。こうした背景から、入社前後を一続きの流れとして捉え、継続的に適合度を高めていくフィットジャーニーの考え方が重要視されるようになっています。
フィットジャーニーの主なプロセス
フィットジャーニーは、いくつかの段階を経て進んでいきます。代表的な流れを以下にまとめます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 採用前 | 企業理解や仕事理解を深め、相互期待をすり合わせる |
| 採用時 | スキルだけでなく価値観や志向性の確認を行う |
| 入社直後 | 不安を軽減し、職場や業務への適応を支援する |
| 定着期 | 成長機会や対話を通じて活躍を後押しする |
これらの段階を意識して取り組むことで、組織と個人の関係性を無理なく深めていくことができます。
フィットジャーニーを意識するメリット
ミスマッチの防止とエンゲージメント向上
- 入社後のギャップが小さくなり早期離職を防ぎやすくなる
- 従業員が自分の役割や期待を理解し主体的に働けるようになる
フィットジャーニーを通じて相互理解が進むことで、従業員の安心感や納得感が高まり、結果としてエンゲージメント向上につながります。
フィットジャーニー推進における課題点
現場の負担と継続性
フィットジャーニーは一時的な施策ではなく、継続的な取り組みが求められます。そのため、採用担当者や現場の上司に負担が集中してしまうことがあります。また、制度や仕組みだけを整えても、日常のコミュニケーションが不足していると効果は限定的になります。現場を巻き込みながら、無理のない形で進める工夫が必要です。
フィットジャーニーを成功させるポイント
対話と期待値調整を重視する
フィットジャーニーを成功させるためには、入社前後を通じた丁寧な対話が欠かせません。企業が期待する役割や成長イメージを伝えると同時に、本人の希望や不安を引き出し、相互理解を深めることが重要です。評価や育成の仕組みと連動させることで、フィットの状態を継続的に高めていくことができます。
まとめ
フィットジャーニーは、採用から定着、活躍までを一つの流れとして捉え、組織と個人の適合を段階的に高めていく考え方です。ミスマッチを防ぎ、人材の力を最大限に引き出すためには欠かせない視点といえます。継続的な対話と支援を通じて、企業と従業員の双方にとって納得感のある関係を築くことが、これからの人材マネジメントにおいて重要になっていくでしょう。


